はじめに
商社に入社したけど取引の流れがよくわからない・・と悩んでいる人へ!商社は規模の差はあれど様々な取引行っており、その経理処理も多種多様なものとなっております。
この記事では商品売買を主として行なっている商社の取引の流れについて、ご説明させていただきます。
現役商社経理部の私が実務の目線でご説明しますので、最後まで読んでいただければ、商社の取引の流れを理解することができますよ!
取引の形態
取引の形態は、国内取引と貿易取引に大きく分けることができます。
貿易取引はさらに輸入、輸出、三国間取引にわけることができます。
国内取引
国内取引とは、言葉通り、日本国内で取引が完了する取引です。日本の会社から仕入れて日本の会社に販売するものです。
これが一番理解しやすいですよね。日本の会社はこの取引が多いです!
輸入取引
輸入取引とは、外国の会社から商品を仕入れ、日本の会社に販売する取引です。
輸入取引には様々な手続きが必要となります。
また、為替リスクや信用リスクなど様々なことを考慮する必要があります。
輸出取引
輸出取引とは、日本の会社から商品を仕入れ、外国の会社に販売する取引です。
輸出時も様々な手続きを必要とします。そもそも輸出してもいい商品なのかとか船積書類の作成など、専門的な知識を要求されます。
三国間取引
三国間取引とは、言葉通り、3つの国の間で貿易を行う取引形態です。(三国間貿易、外国間取引ともいいます)
【例】
日本国内の商社であるAが、ブラジルのB社から仕入れる商品を、カナダのC社に販売する契約があるとします。
商品自体はブラジルB社からカナダC社に直接送られ、商品代金はカナダC社から日本A社に支払い、日本A社もブラジル国B社に支払うことになります。
このようにモノの流れとお金の流れが異なる動きをする取引形態を「三国間取引」といいます。
在庫取引と直送取引
取引の方式は、在庫取引と直送取引にわけることができます。
在庫取引
在庫取引とは、仕入先から商品を購入したら一旦倉庫にいれ、販売先から注文が来たら倉庫から商品を出荷する取引です。
(参考)会計処理
①仕入し倉庫に入庫
商品が増加、商品代金の支払う義務が発生。
借方 商品 / 貸方 買掛金
②売上し倉庫から出荷
売上したことにより、商品が減少し、商品代金の受け取る権利が発生。
借方 売掛金 / 貸方 売上高
借方 売上原価 / 貸方 商品
商品を買った時には費用にならず、商品を売ったときに費用になります。
在庫取引はイメージがしやすいので、まずはこれから覚えましょう。
在庫取引は一旦在庫することで発注を受けてからすぐに販売することができますが、売れずに残ってしまうリスクもあります。
直送取引
直送取引とは、仕入先から購入したら販売先へ直接商品が納品される取引です。
(参考)会計処理
①-A 仕入
商品を買ったため、商品が増え、商品代金の支払義務が発生。商品は自分のところにくることなく売先にいく。商品はなくなり費用となる。
借方 商品 / 貸方 買掛金
借方 売上原価 / 貸方 商品
①-B 売上
商品を売ったため、商品代金をもらう権利と売上が発生。
借方 売掛金 / 貸方 売上高
直送取引の場合、上記が同時に起きるため、結果的に下記の仕訳が計上されることになります。
借方 売上原価 / 貸方 買掛金
貸方 売掛金 / 貸方 仕切売上
直送取引は商社特有の取引方式です。手元に商品を持たないので売れ残るリスクが無い、倉庫料金が掛からないなどの利点はありますが、納期調整に注意する必要があります。
まとめ
取引の形態は、国内、輸入、輸出、三国間の4つ。更に在庫取引、直送取引に分類されます。
会社ごとに取引の種類は様々ですが、商品を仕入販売している会社の場合、大体上記のパターンに当てはまることができます。取引の方式ごとに経理処理の方法、タイミングが異なるので、まずは自分の会社の取引方式はどうなっているのか確認し、それぞれの流れの詳細を突き詰めていきましょう。
わからなくなったら取引の流れを手で書いてみて整理しましょう!商品の流れを軸に置いて考えれば、わかりやすいと思います!
最後までご覧いただきありがとうございました!