貿易取引の商品代金回収&支払【ざっくり・簡単】

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はじめに

この記事はこんな人向けの記事です↓

  • 貿易取引の決済方法を確認したい人
  • 商社で働く人
  • 貿易・商社の仕事に興味がある人

どうも!宇井(うい)です!

私は商社で経理をやっております。

商社は取引相手が多く、国内企業だけでなく海外企業とも無数の取引を行っています。

国内企業と違い海外企業とのやり取りは意思疎通が難しく、日々対策を講じながら代金回収を行っております。

この記事を読めば、貿易取引の商品代金回収、支払について、ざっくり理解することができます。

すぐに読み終わるので、是非ご覧ください!

代金の回収リスク

自分が当事者になったつもりで想像してみてください。

商品代金の回収は、貿易取引に限らずすべての取引につきまとう重要課題です。

必死の思いで契約を締結して販売できたとしても代金を回収できなければ、それまでの努力が水の泡となります。

うい(筆者)

”家が帰るまでが遠足です” ならぬ、”代金回収するまでが取引”です。

代金後払いの場合は、売主が代金を受け取る前に商品を出荷することになるため、代金を回収できないリスクを負います。

代金前払いの場合は、買主が商品入手前に代金を支払うため、商品を入手できないリスクを負うことになります。

つまり、売主・買主同士のやり取りでは必ずどちらかがリスクを背負うことになります。

国内の取引相手でしたら、言葉が通じますし、距離も近いのでコミュニケーションがとりやすく、

日本人同士という安心感もありますが、国外の取引相手の場合、コミュニケーション、情報、文化等の壁があり日本人相手とは勝手が全然違います。

会ったこともない外国の相手に10万円の商品を販売して、送金してもらうのが2週間後としたら、なんとなく不安ですよね?

相手がいい人そうでも、実際に入金するまでは安心できないですよね?

万が一約束通りに入金されなかったらどう催促すればいいか困っちゃいますよね?

外国人でも信頼関係が築けている相手との取引でしたら安心できますが、

信頼関係を築けるまで取引できないとしたら、誰も貿易取引を始められませんよね。

うい(筆者)

ゃあどうすればいいの?って感じですが、賢い人が仕組みを作ってくれているので、我々は感謝しつつ使わせていただきましょう。

代金決済方法

貿易取引の決済方法は大きく ①送金、②D/A、D/P、③L/C に分けられます。

①送金 → 安全度は低いが、手間が少なくコスト低い

いわゆる銀行振り込み的な方法が送金です。

取引相手の口座に振り込むを行う手間も少なく手数料も安いシンプル方法です。

電信送金(T/T)、送金小切手(D/D)普通送金(M/T)の3種類がありますが、とりあえず電信送金(T/T)をおさえておけば大丈夫です!

電信送金(T/T)

T/T は Telegraphic Transfer (テレグラフィック・トランスファー)の略で、一般的にティーティーと呼ばれています。

ざっくりいうと銀行振込のようなイメージです。

国内銀行から国外銀行への連絡を電信で送付するため、電信送金と呼ばれます。

信頼できる相手や、少額の場合は、このティーティーを使うことが多いです。

うい(筆者)

私は会社でこれ聞くと、チョコプラのTT兄弟が一瞬頭をよぎりますね。

②D/A、D/P → 安全度まあまあ、ちょっと面倒

■D/A決済(Document Against Acceptance)

  • 輸出者(売主)→商品を送ったあと、B/Lなどの船積書類と為替手形を銀行経由で輸入者に送付。
  • 輸入者(買主)→期日までに支払うことを銀行に約束して、貨物の引取りに必要な船積書類を受取る

船積書類は貿易において超重要なアイテムです。船積書類の中に、B/L(ビーエル 船荷証券)っていうのがあるのですが、これは貨物の引換券なので商品と同じくらい大事なものとなります。輸入者はB/Lを船会社に提示することにより、貨物を引き取ることができます。

B/Lを発行するのは、輸出する方の国の船会社です。B/Lは、輸出者にとっては、船会社に貨物を引き渡したことを証明する「受取証」になりますが、輸入者にとっては、その貨物の引き取るための「引換証」になります。

うい(筆者)

念の為言いますが、B/Lはボーイズラブとは関係ございません。

■D/P決済(Document Against Payment)

輸出者(売主)→商品を送ったあと、B/Lなどの船積書類と為替手形を銀行経由で輸入者に送付。
輸入者(買主)→手形金額を支払って貨物の引取りに必要な船積書類を受取る

銀行経由で書類のやり取りをしているので、ぱっと見安全そうですが、輸入者がなんらかの理由で船積書類の受け取りしないというリスクがあります。

③L/C(信用状) → 安全度高いが、面倒でコストもかかる

銀行が売主と買主の間に入ってくれて、保証もしてもらえるのがL/C(エルシー)です

●【ざっくり版】L/Cの流れ

①買主(輸入業者)が取引先銀行に依頼してL/Cを発行します。
②L/Cを銀行経由で受取った売主(輸出業者)はL/Cに記載してある通りに船積し、船会社から発行された船積書類とともにL/Cを取引銀行に持込み 、商品代金を受け取る
③L/Cは輸出側の銀行から輸入側の銀行へ送られ、輸入者側銀行が代金の支払いと引換えに船積書類を買主に引渡し、買主はそれを船会社へ提示し商品を引き取る

L/Cは、”契約通りの船積をすれば、代金を支払う”となっているので、

輸出者はL/C通りの船積書類を銀行に持ち込めば、商品の発送後すぐに代金回収が可能です。
逆に書類が間違えていたら、受け取れないことになります。

まとめ

商品代金の回収は、貿易取引に限らずすべての取引につきまとう重要課題

貿易取引の決済方法は大きく ①送金、②D/A、D/P、③L/C に分けられる。

銀行が売主と買主の間に入ってくれて、保証もしてもらえるのがL/C(エルシー)です

うい(筆者)

まずは代金回収が非常に重要ということを認識しましょう。代金回収が重要な課題のため、様々な手法が考案されているということです。こういった方法を必要としない、世の中になれば嬉しいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

この記事を書いた人

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●資格:簿記論、財務諸表論、簿記1級、AFP、TOEIC750、ビジ法2級

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