【グループ通算制度】子会社側の対応すべきこと、注意点について【予定申告・中間納付・わかりやすい】

目次

2022年度からグループ通算制度開始

企業の国際的な協力の強化を目的として企業の組織再編の促進と効率的な経営をするため、

連結納税制度を見直し、グループ通算制度へ移行することが決まっております。

グループ通算制度 仕組み概要

個別申告

企業グループ全体を一つの納税単位とし、

一体として計算した法人税額等を親法人が申告する現行の連結納税制度に代わり

各法人が個別に法人税額等の計算及び申告納付を行うこととなります。(原則)

損益通算・税額調整

欠損法人の欠損金額を所得法人の所得金額と損益通算します。

適用時期

令和4年4月1日以後に開始する事業年度から適用

子会社側でやるべきこととは?

グループ通算制度について、親会社側での説明は結構紹介されていますが

子会社側でやるべきことについては記載がされているものが少ないので

今回は子会社側のやるべきこと、特に注意すべき点について記載したいと思います。

①e-Taxによる申告の特例に係る届出書の提出 

まず真っ先にやることは、e-Taxによる申告の特例に係る届出書の提出です。期限は2022年5月2日(月)となっており、謎に期限が短いです。

御存知の方が多いと思いますが、期限に遅れないよう要注意です。

ちなみに、当記事執筆時点の2022年3月29時点では、改定後のフォームはまだ公表されていません。

提出まで一か月しかないのに未だ公表されていないという謎。おそらく4月になったら出るのでしょう。

うい(筆者)

もうちょっと期限を長くしてもいいと思うんですが・・w

e-Taxによる申告の特例に係る届出書の提出概要

e-Taxによる申告の特例に係る届出書とは

・2018年度税制改正により、「電子情報処理組織による申告の特例」が創設され、

2020年4月1日において資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人等が行う法人税等の申告、

電子申告により提出する義務があります。

•2023年3月期からのグループ通算制度移行に伴い、全ての通算法人は会社の規模に関わらず、

電子申告による法人税の申告義務があります。

但し、地方税については、資本金1億円以下の法人は電子申告義務化対象外となります。

•各社にてe-Taxによる申告の特例に係る届出書を提出期限までに所轄税務署へ提出する必要あり。

提出期限 2022年4月1日以後最初に開始する事業年度(課税期間)開始の日以後1か月以内(3月決算会社の場合は2022年5月2日(月)が提出期限)

※3/29現在、国税庁より公開されている「e‐Taxによる申告の特例に係る届出書」のフォームは令和3年6月改定版であり、令和4年4月1日より施行されるグループ通算制度には未対応です。

②各種届出書

連結納税制度下においては親会社から提出を行っていた各種届出書を、

2022年4月1日以降は、子会社から提出することになります。

一番影響が大きそうなのが、事前確定届出給与に関する届出書ですね。

会社によっては毎年提出していると思われますので、要注意です。

なお、グループ通算制度への加入・離脱に関する届出書については、引き続き親法人から提出です。

•対象となる届出書の例示
事前確定届出給与に関する届出書
−減価償却資産の償却方法の届出書
−棚卸資産の評価方法の届出書
−有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書
−外貨建資産等の期末換算方法等の届出書

なお、既に提出済みの届出書を再提出する必要はありません。

新たに提出する届出書から対象となります。

③投資簿価修正プレミアム計算

プレミアムを付けて買収した会社が、通算グループから離脱する場合には新制度に基づく投資簿価修正を行うこととなり、

その離脱時までに投資簿価修正プレミアムについて計算を行う必要があります。

具体的な計算方法等については今後明らかになりますが、子会社にて対応が必要となりますので要注意です。

子会社(親会社からみたら所謂孫会社)がある会社の方は一応頭にいれておきましょう。

④申告&納付について親会社の方針のチェック

基本的に子会社が申告、納付、各種届出書の提出を行うことになるグループ通算制度ですが、

中間申告・確定申告ともに親法人が子法人を代理して電子申告および納税(ダイレクト納付)を行うことが認められています。

ガバナンスの維持や子会社の負担の緩和などを目的に、親会社で行うことも可能ですので、親会社の意向の連絡を待ちましょう。

⓹会計処理の確認

通算額次第ではありますが、会計処理が一部変更となります。

仮に親会社が赤字、子会社が黒字決算で終えたとすると以下のような仕訳になります

所得、欠損額
親会社 ▲10,000
子会社 +30,000

子会社の通算後所得 = +20,000

【仕訳】
借方 法人税等  9,000 /貸方 未払法人税等 6,500

/貸方 親会社向け未払金 2,500

通算税効果額のため親会社向けの未払金を認識することになります

通算税効果額:グループ通算制度を適用することにより減少する法人税及び地方法人税の額に相当する金額として通算グループ内の法人間で授受される金額(※利子税の額に相当する金額として各通算法人間で授受される金額は除外)

⑥寄付金の損金不算入

グループ通算制度においては、各法人において損金算入限度額を計算することになるので要注意です。

⑦法人税、地方法人税の予定申告・予定納付(または中間納付)

グループ通算制度への移行に伴い、子会社が独自で税務申告をする必要があることから、今後は地方税だけでなく国税においても予定申告・予定納付の義務が生じます。

地方税でやっているのと同じように国税でも予定申告が必要なことを忘れずに注意したほうがいいですね。

最後に

2022年から適用開始されるグループ通算制度において

子会社側で特に注意すべき点を中心に紹介させていただきました。

基本的には連結納税制度と変わらないグループ通算制度ですが、子会社側でやるべきことが増えているので、注意が必要です。

一般的には親会社等から案内があるとおもわれるので、案内に沿って処理を行えば大丈夫だと思いますが、

税制改正に備え、子会社側でもある程度おさえておいたほうが良さそうです。

この記事を書いた人

宇井(うい)のアバター 宇井(うい) 副業ブロガー

ご覧いただきありがとうございます。
●経理歴15年●商社勤務
●資格等:簿記論、財務諸表論、簿記1級、AFP、TOEIC750、ビジ法2級
●辛いもの、ビールが好物
●音楽:Nujabes、THE HIGH LOWS、Helsinki Lamdba Club
●好きな漫画:喧嘩稼業、ザ・ファブル、アフロ田中

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