【インボイス制度】売手負担の入金時手数料の処理方法簡素化か!?

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売手負担の振込手数料が超煩雑になるってマジですか

上記記事において、インボイス制度導入後の売手側振込手数料処理が煩雑になる件について記載しました。

約1ヶ月経ちましたが、税務通信で毎週のように続報が出ております。

売手側の振込手数料っていうのは↓の仕訳例のように、入金時に差し引かれる手数料のことです。

仕訳

当座預金  9,450 / 売掛金 10,000
支払手数料 500 /
仮払消費税  50 /

この手数料の経理実務を巡り議論になっています。

ひとつひとつの手数料は少額ですが、日本全国どの事業者も基本的に振込手数料を負担しているので、処理方法は事務負担の大小に直結する非常に大事な問題と思います。

一過性のものではないですしね。

税務通信3682号にインボイス制度の疑問点として、財務省担当官にヒアリングを行った記事が掲載されており結構突っ込んだ内容になっています。

記事の最初の方に、

※文中における意見,主張等に関する部分については,質問者及び回答者の個人的な見解に基づくものであり,所属した・所属する組織の公式な見解等ではありません。との注意書きがありました。

財務省の方にヒアリングしているにもかかわらず公式見解ではないとのこと。

うい(筆者)

うーん・・・ちょっとずるくね?と思ったのはきっと私だけではないでしょうw

記事内に、そもそも請求額と異なる金額を振り込んでくるなんてルール違反では? という内容の記載がありました。

私も同意です。なに勝手に差し引いちゃってくれてんの。っていつも思います。

【編集部】 20,000円請求しているのにも関わらず,事前の合意もないのに,それに満たない金額しか支払われないというのは,売手としては非常に残念ですよね。何らかの法律に触れないのでしょうか。端的に,民法における債務不履行なのではと思ってしまいますが。

税務通信 No3682


手数料を差し引いて振込を行うのは、事前に同意があればOKらしいので、もし同意なく差し引かれて振り込まれたら遠慮なくツッコミを入れましょう。

異議を申し立てないと同意したと見做されてしまいそうです。

とはいえ、なかなかこういうのって指摘しにくいですよね・・・

なあなあになっている場合が大半な気がします。

自分が経営者としたら手数料の負担など気にする暇はなさそうですし、イチ社員としたらこういうものなのかなって自分の中で消化して何もしないことが多いと思いますね。

色々仕事がある中で、抗議するってのは一番疲れますからね。ストレスたまりますし、流してしまう方が大半だと思います。

手数料の売上値引として経理処理する場合

売手から買手に対し、「適格返還請求書」(=「返還インボイス」)を交付する必要がありですが、簡素な対応が可能とのことで、メール送付する方法が紹介されています。

(メール文面)

〇月〇日付の請求に関して□月□日に19,120円のお振込みを確認いたしました。

なお,請求書記載の20,000円との差額880円(消費税10%)については,振込手数料相当額として〇〇の価格からの値引きとします。

(株)〇〇〇〇

登録番号T123456……

税務通信 No3682

簡素な対応ってことでかなり期待したのですが、これも超面倒臭い!!(笑

たしかにインボイスを紙で出力して送付するよりはだいぶマシですが・・・・

しかもちょっと文面からイヤミな雰囲気を感じるのは私だけですかね・・(笑

お前ら手数料引いて振り込んできたけどしょうがないから値引として処理してやるわ 的な。(考えすぎですかね)

売手負担の振込手数料については、税務通信に対し読者から反響があった旨が書かれていました。

反響があったって本誌に書くぐらいなので、かなり問合せがあったものと推察します。

皆思うことは一緒ですよね。

簡素化の方向にいってるのはいいことですが、やらなくてもいいとはならないような雰囲気を感じますので結局煩雑になるのは変わらないようです。(いまのところですが)

うい(筆者)

銀行手数料を勝手に差し引いてくる振込側が事務負担を強いられる仕組みになることを強く望みます。

課税仕入れとしたい場合は立替金も

売手負担の振込手数料を支払手数料として課税仕入れに計上したい場合には,買手が,売手が負担すべき振込手数料を立替えたものと整理することも可能だ。

ただし,この場合,売手が仕入税額控除を行うためには,買手が金融機関から受領した振込サービスに係る適格請求書と立替金精算書の交付を受け,これを保存することが必要となる。

一方で,買手がATMで振込みを行った場合には,立替金精算書等の交付は必要ないという。金融機関のATMによる手数料を対価とするサービスは,インボイスの交付義務が免除されており(インボイスQ&A問38),インボイスが無ければ,買手から売手への立替金精算書の交付も不要ということだ。

ただし,売手側は,一定事項を帳簿に記載する必要があるため,課税仕入れの相手方となる振込みが行われた金融機関の名称や,ATMを使って振り込まれたものであるかどうか,といった情報が必要となる点に留意が必要だ。

税務通信No.3682

ATMでの振り込みだとインボイスが交付免除されているので、立替金精算書の交付不要とのことですが

売上側では金融機関の名称や、ATMで振込であるという証憑が必要らしいです。

結局、証憑が必要とのことで、やっぱり超面倒くさいです・・・

まだ制度開始まで時間があるので、ますます簡素化していって現実的な処理方法が認められることを心から願います。

煩雑になるのは仕方ないとしても、振込側が事務負担をする仕組にしてほしいです。

売手が買手から銀行振り込みの証票を都度もらう なんて実務上厳しいです。

デジタル化でこのあたりなんとかなりそうな気もするのですが、残念ながら日本においては現実的ではないと感じます。

今回のコロナ禍で痛烈に思い知りましたが、はっきりいって日本のデジタルレベルは後進国以下ですからね。

うい(筆者)

イチ経理部員としては実行可能な現実的な処理方法に着地してくれることを祈るのみです。

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