帳簿棚卸について
いわゆる「棚卸」には実地棚卸と帳簿棚卸の2種類があります。
この記事では帳簿棚卸に関する記事ですので、実地棚卸について知りたい方はお手数ですが、以下の記事をご覧ください。
帳簿棚卸はちょっと言葉がわかりにくいですよね。
馴染みがないので、ん?となるかもしれません。
帳簿棚卸は帳簿(会計システム)上の在庫数量と、倉庫から取り寄せた在庫証明書(在庫報告書とも)を突き合わせることです。
もっと簡単にいうと、自分たちが預けていると認識している数量と、倉庫会社が預かっていると認識している数量を確認する作業です。
帳簿棚卸の内容
目的
- 帳簿上の商品数量と倉庫会社作成の在庫証明書の数量が合致するか確認
- 合致しない場合は原因を究明し対策を講じる
実施時期
- 営業部門では毎月末行うのが一般的
- 実態は会社毎に異なる
- 四半期毎、半期毎に経理部門への提出を求める仕組みの会社が多い
数量が合わない原因
基本的には帳簿数量と在庫証明書の数量は一致しますが、一致しないときもあります。
一致しない原因は主に次のような理由です。
計上間違い
私の経験上では、計上間違いが最も多い数量が合わない原因です。
合わない理由としてはシンプルですが、いったいなにをどう間違えたのか、対策はどうするのか?
というのはかなり難しい問題です。
人間がやる以上、ミスは付き物ですからね。
経理事務というより、内部統制の領域ですが、計上手順の見直し、チェック方法の確立など、
会社の規模や業種に応じた対策を練る必要があります。
倉庫会社側のミス
これも意外と多いんです。
もちろん本来あってはならないことですが、倉庫会社がシステム化しているといえども
システムを管理しているのは結局人間ですから、
ヒューマンエラーというのはゼロにすることは出来ないようです。
私の経験では、倉庫会社が出庫数量を間違えて多く出庫しまい、帳簿棚卸をするまで気がつかなかったことがあります。
海外へ輸出する取引だったのですが、営業担当者に聞いたところ
その海外のお客さんからは本来より数量が多かったことについて何も連絡が来ませんでしたとのこと。
日本のお客さんだったらきっと連絡が来たと思いますが、世界には色々な人がいますからね。
なんとも世知辛い思いをした記憶があります。
なお、倉庫会社のミスだったため、被った損失は後日補填してもらい事なきを得ました。
メーカーのミス、倉庫会社のチェック漏れ
そもそも倉庫へ入庫したときの数量が誤っているパターンも時折あります。
仕入伝票には100個と記載されているが、実数量は99個だったみたいなことですね。
倉庫入庫の際に、倉庫会社の方が数量をチェックする際に気が付かないと発覚はかなり遅れます。
私の経験では、倉庫会社に出荷依頼をしたが数量が足りないということがありました。
調べてみても原因が分からず、その商品は紛失するような形状ではなく、
盗難の可能性があるような商品でもなかったため、入庫の際に既に無かったと結論付けられました。
なお、結局、減耗損で計上を行いました。
帳簿との突合せは毎月実施がベター
大きな会社でも初歩的なミスというのは日常的に起きるものです。
まずはミスを減らすように予防措置をとり、ミスが起きたとしても発見できるような業務フローの構築が大事です。
商品は将来現金に換わる会社にとって大事な資産ですので、毎月在庫証明書と確認を行うのが肝要と思います。
最後に
帳簿棚卸について説明しました。
在庫管理は会社にとって重要な業務です。商品は将来お金に換わるもの重要な資産ですから、
差異ゼロを目指して自社に適した業務フローの構築、定期的なチェックを行いましょう。