債権流動化とファクタリングの経理処理【メリット・会計処理】

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経営に不可欠!?債権流動化とは

皆さんの会社では債権流動化をしていますか?

私の経験上ですが、飲食店などの個人を相手にしている現金商売の業種以外は、十中八九債権流動化、ファクタリングを利用しているように感じます。

債権流動化とは、売掛金を期日前に現金化することをいいます。

そして、債権流動化には複数の手段があります。

● 売掛債権証券化   
● 売掛金担保融資
ファクタリング

つまり、ファクタリングは債権流動化の手段の一つということです。

業界によるのかもしれませんが、上記のうち目にするのは殆どファクタリングなので債権流動化=ファクタリングという認識が世間的にも浸透していると思います。
ただ、完全にイコールではないので、債権流動化≒ファクタリングという感じでおさえておきましょう。ファクタリングをおさえたら、あとの2つは軽くでOKです。

●売掛債権証券化  債権を特別目的事業体(SPV)等へ譲渡し、SPVが証券化し投資家に販売する方法。
●売掛金担保融資 債権を担保に融資を受ける方法。

ファクタリング

債権をファクタリング会社に売却し現金化する方法がファクタリングです。

ファクタリングには、「遡及義務あり(償還請求権あり・ウィズリコースとも)」と、「遡及義務なし(償還請求権なし・ノンリコースとも)」があります。

遡及義務ありというのは、ファクタリングした債権の相手先が万が一倒産した場合、当社に支払義務が生じるものを言います。

逆に遡及義務なしというのは、債権の相手先が万が一倒産するようなことがあっても、すでにファクタリングで現金化したものについて当社には何も影響ありません。

つまり遡及義務なしの場合は、ファクタリング後に債権の貸倒リスクが無くなるということです。ファクタリング業者側は貸倒リスクを承知した上で買取を行っていることになります。

また、債権の相手先の信用度によって手数料などが変わることが多いです。債権の相手先が上場企業だったり安定企業で信用度が高ければ、手数料は低く設定されます。

逆に、信用度が低い会社の債権であれば、そもそも買取を行ってもらえなかったり、手数料を高く設定されたりします。遡求義務ありなしでも手数料が変わり、遡求義務ありの方が手数料は低く設定されます。

そして、債権の決済期日が遠ければ遠いほど、金利の影響で手数料は高く設定されます。

一般的にファクタリング実行時入金の際に、手数料が差し引かれて振り込まれることが多いです。

●仕訳

例)売掛金100をファクタリングし、手数料1を差し引かれて99入金した。

借方 現預金  99 / 貸方 売掛金100
   流動化費用 1

流動化費用の勘定科目は会社ごとにまちまちです。

借入金利息と同様に支払利息で計上している会社もあれば、債権流動化費用のように別掲している会社、雑損失に含めている会社もあります。表示場所は営業外費用となります。この辺りは会社規模や、流動化費用額の多寡に応じ判断することになります。

なぜファクタリングをするのか

資金繰りのため

一般的に借入よりもコストを低く抑えることができます。

また、借入を金融機関に断られたとしても債権流動化は実施できることが多いです。

自社の信用度が低くても、債権の相手先がの信用度が高い場合は実施可能となるケースがあります。※細かい条件はファクタリング業者ごとに異なります。

キャッシュフロー改善・BSオフバランス化のため

オフバランス化というのは、BSからオフする=外すことです。

BS上の債権、借入金が減るので、BSの見た目がよくなり所謂経営指標が改善します。BSをお化粧するって表現もされますね。

昨今キャッシュフローが重要視されていますが、債権流動化により債権がなくなり現金が計上されるのでキャッシュフローが改善します。

貸倒リスクを回避できる(遡及義務なしに限る)

遡求義務なしのファクタリングを実行することで、貸倒のリスクがなくなります。回収管理の手間もなくなりますので事務コストも軽減できます。

IFRSではオフバランスできない?

ファクタリングの種類にもよるのですが、IFRS(国際会計基準)ではオフバランスできないものもあります。これは、日本の会計基準とIFRSでは債権の消滅の認識のポイントが異なるためです。

逆にIFRSではオフバランスできても日本基準ではオフバランスできないものもあるので、

ファクタリング実行前にオフバランスできるかどうか、慎重に確認してから実行するようにしましょう。

ファクタリングは会社経営に有用な武器

ファクタリングはメリットが多いことから、たくさんの企業で採用されています。種類が多く、経理処理の判断に迷うことも多いので、契約書をよく確認し慎重に行いましょう。

新たにファクタリングを始める際は、事前に会計監査人や顧問税理士等に相談することをおすすめします。

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