この記事でわかること
- 残高確認書の目的
- 残高確認書の種類
- 残高確認書の書き方
残高確認書(ざんかく)とは?
残高確認書とは、債権や債務の残高がお互いに合致しているかどうかを確認する書面です。
「私が認識しているあなたへの債権は○○円ですが、あなたの認識はいくらですか?」
と書面で投げ掛け回答を記載して返送してもらうという流れになっています。
なお、残高確認書は、
①会社が自主的に発行しているもの
②監査法人が発行しているもの
と2種類あります。
略して残確(ざんかく)と呼ばれることが多いです。
就職したてのときは、上司や先輩たちが「ザンカク、ザンカク」言ってて意味がわかりませんでした。笑
残高確認書は何のためにやるのか
①会社が自主的に発行しているもの
②監査法人が発行しているもの それぞれ見ていきましょう。
会社が自主発行する残高確認書
会社が自主的に発行している残高確認書は、取引先と自社間の残高が一致しているかチェックするために行います。
一致しない場合は計上漏れなど、なにかしら原因があるはずなのでその原因を解明します。
誤計上や二重計上、計上漏れ等がないか確認し、もしあれば是正し再発防止策を考案・実行します。
会社毎の計上基準や商品発送受取のタイミング違いによって少しずれることはあるものの、正しく経理処理ができていれば、それ以外は通常は残高が一致するはずです。
監査法人が発行している残高確認書
監査法人が発行している残高確認書は、監査している会社の会計処理が適切か、また、不正が無いかを確かめるために行われます。
取引先への確認による回答は強い証明力を持つとされていますので、監査法人は監査手続上、残高確認書を重要視しています。
当社の担当CPAの方も残確は重要な監査手続とよく言っています
なお、残高確認書は取引先から監査法人に直接送付されます。
この直接送付されるということが最重要ポイントです。
というのも、被監査会社(監査を受ける会社)に残高確認書の回答が届いてしますと、改ざんされてしまう恐れがあるためです。
残高確認書が届いたらどうすればよいか
突然届くので驚くかもしれませんが、恐れるものでも特別難しいものでもありませんので安心してください。
会社により対応部署が異なりますが、経理部門が対応する場合が多いのでまずは担当部門を確認しましょう。
もしあなたが対応する場合は、下記の通り処理すれば大丈夫です。
会社が発行している残高確認書、監査法人が発行している残高確認書ともに基本的にやることは一緒です。
処理方法
例:買掛金 12,000,000円 等
送られてきた会社の売掛金の残高が書いてあれば、自社の先方に対する買掛金残高を記載すればOKです。
もし金額に差があったとしてもありのまま自社の帳簿の残高を記載しましょう。
取引は表裏一体ですので、先方が売掛金はこちらの買掛金。逆に先方の買掛金はこちらの売掛金です。
落ち着いて自社の債権債務残高を確認しましょう。
例:4月検収のため 等
差額の理由がわかれば、備考欄などに記載しましょう。
義務ではありませんので、できる範囲でOKです。
個人の印(シャチハタなど)は通常無効ですので注意しましょう。
会社として正式に回答したことの証明にならないためです。
また、記入誤りがあり訂正する際も会社のハンコを使いましょう。角印で大丈夫です。
通常は返信用封筒が付いているので、返信用封筒を使用し返送しましょう。
上記サンプルの場合、貴社勘定科目には買掛金、金額は3/31時点での自社の帳簿残高を記載します。
貴社名欄に会社名を書き(スタンプ可)、社印(角印)または代表者印(契約印、社長印)を押せばOKです!
最後に
残高確認書の目的や処理方法についてご説明しました。
受け取った場合は、機械的に自社の帳簿残高を記入し社印を押印して返信するだけですので特別難しいこともありませんからご安心ください。
経理部員的には基本的に送付する側ですので、お手数かけて申し訳ないです。お互い様ということでご容赦いただければと思います。